大水槽製作記

大水槽製作記

H18 年明け早々に以前から計画があった増築+大水槽の製作にかかりました。そもそもはさらに二年も前に増築しないかという話を持ちかけられました。その頃はまだ必死で日々を営んでる状況だったので最初はピンと来ませんでした。しかしその日から確実に頭の中に妄想はふくらみワクワクして眠れないくらいに楽園は出来上がっていきました。池のような大きな水槽で大好きなアマゾンの魚たちを泳がせたら。それは僕にとってとてつもない偉業です。そして少しずつ歩んだ結果ついにこの時が来ました。実際には諸事情により妄想よりもかなり狭いスペースになってしまいましたが現実はこんなもんでしょう。

まずは壁をぶち抜くところからです。手前のコンクリートの段の所が以前壁があったところです。段から向こう側と奥の壁までが増築スペースです。ノコギリとハンマーで壁を取っ払いました。奥の壁もまだ骨組みなので内装から作っていきます。営業しながらの作業なのでなかなか進みません。ちなみにほとんどは自作で行くつもりです。お金の問題もありますが、細かいこだわりを再現するには外注だと限界があります。一人でやるのは大変ですが、楽しくもあります。

壁を付ける前に保温のため断熱材をふんだんに使います。天井にも敷き詰めました。おかげで保温性は完璧です。それにしてもぐちゃぐちゃです。おかげで作業の進みが悪いです。最近はゴミを捨てるのも大変で、業者に頼むんですがそのタイミングが迷います。

下地までは自分で何とかやりましたが素人仕事なのでかなり粗があります。それをきれいに見せるためにはプロの手が必要です。友達のクロス職人にやってもらいました。クロス張りは素人の出来る範囲を超えてます。まさに職人技。自分の技量をちゃんと見極めて、自分で出来るかお金を払ってもプロに任せるかを正しく判断するのも技術の内です。おかげで出来上がりは完璧です。

内装完成。でもまだピンときません。頭の中では設計図は出来上がってますが実物と重ねると想像が出来ません。

いよいよ着工。ここもプロに任せます。魚関係のプロとしてある程度の指示はしますが基本的には建築のプロの職人さんに任せます。熱帯魚屋の店内での仕事ということをちゃんと理解して、気遣いのある作業をしてくれました。

物々しい感じです。プロにしかわからない、ち密な構造設計の元、建設が進みます。

すごいことになってます。ポンプ車で店内にコンクリートを送ります。さすがに人力では出来ない量なので大掛かりですがこれならすぐに終わります。重機ファンの僕にとってはうれしい体験です。

初めての注水。緊張します。この時はあく抜きのための注水です。水道全開で3時間。その後抜くのに一晩。その後乾燥一週間。そして塗装、乾燥、注水、乾燥等を繰り返しここだけで軽く一ヶ月はかかってます。一度稼動し始めたらやり直しは出来ないので念には念を入れて慎重に進めます。

濾過槽設置、配管、電気配線、下準備は出来ました。でもまだ心の準備が。本当に大丈夫か?考えててもしょうがないですが心配は尽きません。

こだわりその1。太い配管パイプ。本当はもっと小さいポンプでもよかったんですがどうしても40φで配管したかったのでかなりでかいポンプを付けました。おかげで見た目も大迫力です。ちなみにバルブを開けたままポンプを始動すると管は破裂します。それくらい強いポンプです。

こだわりその2。強力ライト。太陽光と同じ明るさです。やっぱり生き物は太陽の光が必要です。蛍光灯では出ない天然の輝きが魚から発せられます。淡水のしかも大型魚にこの手のライトを当てることはあまり無いと思います。だからこそこだわり。

記念に内側から。着工から半年でやっと完成しました。

完成の写真はあえて載せません。ぜひご来店ください。こんなのを作るのはもちろん初めての経験ですが、想像と経験と勘を駆使してほぼ自作で小さい水族館を作っちゃいました。危険なところは重要に、それ以外はそれなりに。それがポイントです。想像とは違って実際作ってみると思いもよらぬ問題や心配が次から次へあるもんです。頭が痛くなる位考えて、そのおかげか結果はほぼ成功だと思います。今回の経験を踏まえさらに、その後のデータを見ていつかは2号、3号と夢はさらに膨らみます。