思い出の葛西臨海水族園

先日、久しぶりに葛西臨海水族園に行ってきました。
前回から10年は経ってると思います。
近くて安くて思い入れもあり定期的に通ってます。
思えば開園は僕がまだ10代の頃だったと思います
世界初のクロマグロ飼育をメインに始まりました。
バブル景気な上、莫大な資金力を持つ東京都の施設です。
マグロは猛スピードで泳ぎ回るので水槽では飼えないと言われてました。
壁面に突進して死んじゃうって言う定説です。
じゃあドーナツ型の丸い水槽にしたら良いんじゃないか。
誰もが考えるアイデアでしょうが、当然そんな簡単な話じゃないです。
そしてそれを遂に世界初で実行に踏み切ったのがここ葛西です。
そのスケールの大きさにワクワクしました。
しかし完成して分かったのは、意外とマグロはゆっくり器用に泳ぐと言う事。
仕舞にはマグロが全然泳がない、なんて問題で話題にされたり。
その結果ある程度の大きい水槽ならマグロを飼えると言う事になっちゃいました。
その後、他の水族館でもマグロを見れるようになりました。
まあしかしこれも最初の葛西の功績が大きいです。
マグロの大水槽以外は意外と地味で一般受けしない水槽が多い気がします。
しかしこれにはちゃんと訳があり世界的に学術的に意味のある展示が多いからなんです。

僕は過去に葛西で研修をさせてもらったこともあります。
そして、その後仕事では魚や海水を搬入する業務でも出入りしました。
人懐っこいナポレオンフィッシュが印象的でした。
業務を離れた後はお客として何度も行きました。
何かと縁のある一番思い出深い水族館なんです。
そして近々、老朽化のためリニューアルするみたいです。
リニューアルなので悪いことはないですが、なんだか一時代が終わる感じでさみしいです。
今の館に行くのはこれで最後かなー、と考えながらじっくり楽しんできました。




答えはないという答え

先日のレオパに続き今度はフトアゴヒゲトカゲが産卵しました。
(ちなみに先日のレオパは無事孵化しました。)
今回は完全に一匹でいた個体なのでただの無精卵です。
まあそれはいいとして今回の論点はこの個体がメスだったということです。
オスだろうと思ってました。
フトアゴの雌雄判別は難しいんです。
どの文献を見てもオスはこう、メスはこうと分かりやすいように書いてます。
でも実際はどの個体を見てもいつも迷っちゃいます。
こう書くとただ単に僕の能力不足のように思われるかもしれませんがそういう話しではないんです。
みんな本質を避けてるだけです。
経験に由来しない知識に思えます。
確かに特徴のはっきりした個体を見れば誰でもわかります。
でもそれがすべてに当てはまるかと言えば全然違います。という意味です。
とにかく生き物にセオリーや基本はないんです。
人間だって日本人とか、男だからとか、末っ子だからとかで分類されたら困りますよね。
フトアゴのオスメスの見分けは簡単です。という人は僕は信用しません。
複数飼育していて、繁殖も数回経験してる人の言葉なら少しは信用しますが。
逆にそのレベルの人はその言葉は言わないんだと思います。
過去には他の爬虫類ですが「オスです」と渡された個体が卵を産んじゃったことがあります。
そんな事が何度も。しかも詳しいとされてる人に。
経験を積んで、色々見てきた結果「答えはない」という結論にたどり着くんです。
それって矛盾してるようみえますが、しょうがない。
経験はただの経験でしかなく、正解につながるとは限りません。
答えを明確に言い切る。それは他のパターンを知らないだけの場合が多いんです。
出口のない経験の無限ループをただ繰り返すだけです。


多彩な業務内容

熱帯魚屋の業務って実はかなり幅が広いんです。
皆さんはのんびりした僕の仮の姿しか見てないので勘違いしてるでしょう。
僕の場合はあまり作業を見せないようにしてます。
水換え、餌やり、入荷は日々の作業ですが、何となくこっそりやります。
お客さんの邪魔になるのと、自分の気が散るのと両方の理由からです。
でも本当はそういうのって見たいですよね。
プロの作業風景。
水換えも餌やりもテクニックが満載ですから。
運よく作業中に立ち会ったお客さんは大概興味深々で見学していきます。
もう少し、あえて作業を見せる演出も必要かもしれませんね。
水族館のバックヤードツアーって人気ですもんね。
僕も内側の世界に目が行きがちです。
多くの人の一番の興味は問屋での仕入れでしょう。
問屋ってどんな感じ?って。
これだけはトップシークレットです。
これが知りたくて業界に入ったと言っても過言ではないです。
全体的に秘密にしてるのがむしろ当店の演出かもしれませんね。

そして営業中以外にもいろいろ動いてます。
遠くまで仕入れに行ったりお客さんの所に行ったり。
ついでに魚に関係ない雑用も結構頼まれます。
屋根直したり、庭木を伐採したり。
もはや何でも屋です。
頼まれるとやってあげたくなっちゃうんです。
そしてやれる範囲がどんどん広がっていくんです。
「NOと言えない日本人」とは僕の事です。
おかげで楽しい日々です。

カヌーで逮捕?

ちょっと前の事ですが牛久沼に釣りに行きました。
自前のカヌーを持って。
空気で膨らますタイプの簡易カヌーです
カヌーで水面に浮いてるととても気分がいいんです。
陸からとは視界が違うし、見れる生き物もだいぶ違います。
しかしこれがなかなか勇気がいるんです。
水に入るまでが少しひるみます。
これは経験者ならあるあるなんだと思います。
いつもは友人と行くんですが、その日はついに一人で行きました。
なので余計に緊張します。
膨らますのに時間がかかりその間、大概人に話しかけられます。
変わったことをしてるので、興味があるのはわかります。
でもこっちもドキドキなのでそれが嫌なんです。
なのであまり人がいなそうなポイントを選びました。
車が止められて人がいなくて入り口がある所。
ここだ!と思い車を止め、でもやめようかな~。
普通に釣りだけしようかな~。でもせっかく来たしな~。
なんて余計なことを考えながら、えいや!と準備にかかりました。
カヌーも準備ができて、これから確認して慎重に入ろうと思っていたその時。
消防車を含む車列がこちらに近づいてきます。
まあ関係ないだろうと思いましたが、ぐんぐん近づいてきます。
そして僕の車を取り囲むようにそれぞれ止まるんです。
え?なんかとんでもないことを僕はしたのか?
隊員の人が降りてきて「これから入航(船を入れる事をそう言うらしい)ですかー」と。
要は僕とは全く関係なく何かの作業(たぶん草刈り)に来たみたいです。
そんなことあります?
広大な河原の中のピンポイントにこのタイミングで。
あまりにも偶然過ぎます。
逮捕されるのかと思いました。
その後「入航が済んだらここ作業に入りますので」なんて言われて、ゆっくりこっそり入ろうと思ってたのに何とも大げさで忙しい入航になってしまいました。
僕は意外とこういう所があるんです。
間が悪いというか。
まあでも笑い話として運がいいのかもしれませんね。


「レオパ」の新時代

ヒョウモントカゲモドキというトカゲの仲間がいます。
トカゲとヤモリの中間なのでモドキです。
英名でレオパードゲッコウなので通称レオパと呼ばれてます。
レオパと呼ばれ出したのは最近なんです。
それまでは愛称はありませんでした。
「ヒョウ」では豹になっちゃうし。
「ヒョウモン」は他にもたくさんいます。
「ヒョウモントカゲ」ではむしろ間違った呼び方になってしまいます。
で結局いつも長いフルネームで呼んでいました。
そしてひねり出した「レオパ」に飛びついた感じです。
ついに見つけたとばかりに。
古いタイプの僕としてはその呼び方には正直抵抗があります。
いつの間に浸透してましたから。
しかし今は逆にレオパと言わないと通じない場合もあるのでしょうがなく使ってます。
レオパは一番飼いやすいトカゲとして人気です。
その昔は野生のワイルド物しかいませんでしたが今ではほぼ100%ブリード物です。
なのでなおさら飼育しやすくなってると思います。
人工のフードを食べるなんて以前ではありえませんでした。
当店にもレオパが多数いますがそれが最近卵を産みました。
まだ一歳以内の若い個体なので本来はまだなはずですがそういう所もブリード個体の特徴かもしれません。
そして本来は冬眠をしないと孵化しないとされてます。
この卵が無事孵化するとなると、レオパも新時代を迎えることになります。
これは進化と言うか単なる変化なんでしょう。
動物の適応力はたくましいです。






ライギョとの因縁

先日、今年初の釣りに行ってきました。
と言っても近所に手軽にフナ釣りです。
一番好きなウキ釣りのフナ釣り。
しかも餌はミミズで。
子供の頃からの思い出もあり基本にして最高です。
釣りは「フナに始まりフナに終わる」と言います。
まさにそれです。
まだまだ終わりませんがね。
いい天気の中、程よく釣れて楽しめました。
ミミズなので途中ギギも釣れました。
楽しい外道です。
ギギは国内外来種と言って昔は関東にはいませんでした。
元々日本の魚ではあるので移住と言った所でしょうか。
その後また違う引きの魚が。
ん~?わー、やったーライギョだー!
15㎝位のライギョです。
このサイズのライギョはとても貴重です。
ベビーの群れを見つけて網ですくうか、
ルアーで大型個体を釣るかしかないからです。
これは持って帰りたいと思う反面試練があります。
まずうまく針を外しビク(魚を入れておく道具)に入れる。
ここで大体逃がします。
意外にもおとなしく確保成功。
そして帰る時、今度はビクから袋に移すのが難しい。
これも意外にすんなり成功。
ここで気が緩んだのか、袋を閉じようとほんの少し傾けた時につるんと何かが。
「あれ、今なんか出なかった?」
今出たのはフナであってくれ!
いやしかし多分ライギョだ。
偶然落とした一匹が偶然ライギョ。
中身を確認する前からもうあきらめの気分。
やっぱりかと言う確信みたいなものもあります。
考えてみたら最初からそんな予感もしてたかも。
そう考えると途中までうまくいきすぎてたのもその前振りのようにも。
がっかりですが、なぜか納得もしてしまう。
ライギョよ、やっぱりお前はそうか。
なんか変わらない運命にほっこりもした一日でした。


規格外のピラルク

大水槽を設置して数か月。
一応今のところ水漏れはないようで一安心。
まあでも毎日ヒヤヒヤはしてます。
もし今更、何かが起きて一回中止となったら困るんです。
今まで90センチ水槽にいた魚達を集結して入れちゃってるんで。
そしてやはり広いところは快適らしく明らかに成長が早まりました。
なので今更90センチ水槽に戻せないんです。
恐る恐るスタートした混泳大水槽ですが気づけば後戻りはできません。
しかも実はこの水槽を見越してすでにピラルク仕入れちゃってます。
僕が大水槽にこだわる理由は何しろピラルクのためなんで。
僕の考えではどの魚も90センチ水槽で終生飼育が可能と思ってます。
もちろん広いに越したことはないんですが、可能かどうかでいえば可能ということです。
しかしピラルクだけは別です。
どう抑えてもいつか破綻するでしょう。
最大3メートルオーバーなので。
以前の店舗にもピラルクのために3トンの水槽を作りました。
逆に言うとそれでもピラルクには足りませんが。
独特な生態故、トラブルも多いので一筋縄ではいきません。
今回の個体は10センチで入荷して4か月で30センチほどに成長しました。
今のところ順調ですが大きくなるほどに事故が増えます。
大変ですが挑戦し続けます。
ピラルクだけは理屈じゃないんで。
ちなみにピラルクは食べると最高にうまいです。
白身なのにうまみが強くふんわりした食感。
現地ではただの高級食材です。
大間の本マグロみたいな存在です。
マグロ飼おうとする人いませんもんね。

3大美食魚

餌を食べないでおなじみの3大魚種。
エンツユイ、パーカーホ、ヘテロティス、といます。
基本的に餌を食べてくれません。
食べたとしても小食で成長はしてくれません。
そして当然、まもなく死にます。
この3種のうちのエンツユイとヘテロティスがいま当店にいます。
この2匹は奇跡の個体で順調に成長中です。
エンツユイは中国の魚で、体高がありとても個性的で魅力的なスタイルをしています。
ヘテロティスはまさに古代魚の形でシーラカンスを思わせるような独特な魚です。
どっちも泥の中の微小なプランクトンなどを地道に食べる習性です。
なのでこれを飼育下で再現することが難しく、飼育難という結果になります。
今回の個体が運よく人工餌に馴染めたということです。
この2種が育ってるというのは店にとっては相当箔が付く状態です。
魚の餌付けは運もありますが実は技術でもあります。
魚側とあげる側の両方の運と技術です。
ただあげるだけだと思ったら大間違い。
餌やりが飼育のすべてと言っても過言ではないです。
魚の気持ちになってなぜ食べないか、何が食べたいか、食べ過ぎてないか、と常に思案します。
「生きることは食べること」
まさにそれです。
「生きるために食べる」とはちょっと違います。
人だけは楽しみのためにも食べますがね。
「食べるために生きてる」
それを本当の美食と言うんでしょうね。


魅惑のスネークヘッド

当店では以前からスネークヘッドの在庫が多めかと思います。
スネークヘッドとはアジアを中心に生息する細長い川魚です。
静止したまま胸鰭だけを羽ばたかす独特の動きが魅力です。
日本でもいわゆるライギョがそうです。
ライギョは外来種ですがもはや日本の魚と認めても良いと思います。
子供の頃から深いなじみがあります。
釣り師の間ではあらゆる都市伝説がおなじみです。
沼の主として妖怪のような扱いの逸話が各所にあったもんです。
子供の頃初めてショップで見たレッドスネークヘッドが衝撃でした。
今思えば何がそんなに特別だったのかわかりませんがなぜかそのスタイルに驚きました。
「なにこれ、気持ち悪いー!」と思いつつ気になってしょうがない感じでした。
振り返るとその瞬間から虜が続いてる状態なんでしょうか。
呼び名がたくさんあるのもスネークヘッドの特徴かもしれません。
トーマン、チャンナ、コウタイ、プラーチョン、などもみんなスネークヘッドです。
一番好きなのはロイヤルトーマン。
これも特にどこがではないんですが、何とも言えない迫力が唯一無二な感じです。
「特にではなく何となく」が物事の真骨頂のように思います。
スネークヘッドは実にアジアな感じをまとった魅惑の魚です。
ただ一つ言うなら名前が嫌ですね。
スネークが嫌いなんで。
しかも漢字にすると蛇頭(ジャトウ)です。
なんか裏社会を感じます。
そんな外道的な立ち位置が引き付けられるポイントかもしれません。

大水槽設置

ついに大型水槽を設置しました。
水量1500リットル。1.5トンです。
水槽と言っても上から見るタイプに横窓を設置したもの。
この水槽は実はずっと前に手に入れたものです。
いつか使おうと大切に保管してました。
置く場所もなく悩みましたが、とにかく行動あるのみと踏み切りました。
最初は外に置く予定でした。
でも外に置くと言うことは保温ができないので熱帯魚は飼えません。
ちゃんと土台も整えて準備はしましたが水入れの段階でいまいちテンションが上がりません。
このサイズで無加温で飼うと言ったらニシキゴイか、良くてチョウザメ。
もちろんどっちも好きですが、なんかな~。
ということで、かなり強引に店内に押し込みました。
これで飼える魚の選択肢がかなり広がります。
迷いが無くなったことで気持ちは一気に行動に代わります。
店内が狭くなることはお客さんには我慢してもらいましょう。
でもまあ、思ったより邪魔ではなさそうです。
そして横から見えるように穴をあけ、アクリルをはめ込みました。
実はこれは絶対やっちゃダメな加工なんです。
一カ所でもくり抜けば全体のバランスが崩れて崩壊の危険が。
思案しましたが結局いつものノリでとにかくやってみる事に。
今のところ水漏れもなく無事稼働してます。
大型水槽、大型魚をやるにはラテンのノリが必要です。
慎重かつ大胆に。大胆多めで。
まだ魚はあまり入れてませんが、やはり大きい水槽はただそれだけで迫力があります。
どうやら僕は水が好きなようで、ただ大量の水というだけで見ていて飽きないんです。
水を飼ってると言っても過言ではないかもしれません。
今回のは僕にとってはまだ序の口でいずれは以前の店にあったような3トンの大水槽。
いや、その倍以上を将来的に見据えています。
そうなると何をするにも結構体力が必要になるのでいつかのその時のために気力と体力を今から心がけていきます。