戻るぜよ。連載4

当初から決めてました。
4月から行動を始める。
それまではあえて一切何もしない。と。
夏までに場所が決まり、準備して冬前にはオープン。
そんな計画でいました。
ちなみに熱帯魚屋は一番売れる夏前にオープンするのが常識です。
ですが僕の信念で物事はすべて逆、というものがあります。
夏が売れるとしたら練習を兼ねて冬を過ごし次の夏を迎える。
やっぱり冬にオープンした方が正しいと思い立ちました。
これはある意味2回目の余裕でしょうか。

4月になったとたんにスイッチを入れて始動です。
この3年間ずっと「戻るぜよ!」(ドラマ「仁」の)が聞こえていました。
1からやる、がテーマなので今まで1度も付き合いがない不動産屋に飛び込みました。
事業のイメージを伝えて物件を探してもらいました。
安い物件、出来れば買いたい、無理なら賃貸。
買うって言ってもそんな事できるのか。
もちろん借金です。どっちにしろまずは場所。
どこでも良い。という訳でもない。
理想はある。でも完璧には行かない。
期限に追われながら金の悩みを抱え、でも譲れないこともある。
この時点ではドライバーの仕事も継続中です。
悩みが多すぎて眠れない。
でも、今はドライバーの仕事が優先です。
事故でも起こしたら元も子もないです。

あの頃を思い出すと、吐きそうになります。
よくあのプレッシャーに耐えたなと未だに思います。
我ながらほめてあげたいです。
詳しくは言えませんが、実は反則ぎりぎりの作戦で期限もぎりぎりで。
お金のめどがつく前に、もう工事が始まっちゃったんです。
いろんな人にお世話になり、ドラマのような作戦会議もしました。
努力は必ず報われるとただ信じ。でもだめかもしれない。
暗闇の中を歩き続け少しづつ雲が晴れて行きやっと明かりが見えてきました。
この時点でもう次の春を迎えていました。
大きな問題もおおむね解決しやっと本格的な開店作業と言う事になります。
とは言えここからまた次々と問題が起こるのです。  
続く。